GRAPEVINEがバンドとしての理想系である話【前編】

こんにちは。

文章の練習がてら、ブログを始めましたが。
本日は僕が愛して止まないGRAPEVINEの魅力について語りたいと思います。

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GRAPEVINEのこれまでのキャリア

1993年大阪府にて結成されたGRAPEVINE
メンバーはVo/Gt 田中和将 Gt 西川弘剛 Dr 亀井亨 そして、結成当時から、2002年12月までリーダーを務めたBa 西原誠からなる、4人組のロックバンド。
(現在はサポートメンバーというかもはやメンバー化しているBa 金戸覚 Key 高野勲が2001年から合流し、現在ではライブのみならずレコーディングにもレギュラーで参加している。)

1997年デビュー当時から、異彩を放つバンドとして一目を置かれデビュー当時「ポストミスチル」と言われるほど、ミディアムな良曲を作るバンドだとキャッチコピーも添えられており、1997年当時では意外な商品形態ミニアルバム「覚醒」でデビュー後、1999年に「スロウ」をシングルでセールスは定かではないが初動で20万枚以上を記録。そして、GRAPEVINEの人気を決定づける彼らの作品史上一番売れたアルバム作品
「Lifetime」を同年にリリースし、50万枚を超えるセールスを記録した。
ただ、当時のレコード会社の感覚からするとこのセールス実績は「プチヒット」的な感覚であり、大きくヒットしたと評価されるには一歩及んでいないという評価だという。

当時のセールスからすると「プチヒット」だったバンドが、来年デビュー25年という節目を迎える。ここまで、GRAPEVINEがなぜ安定充実した音楽キャリアを積んで来れたのかを僕目線で紐解いてみようと思う。

 

GRAPEVINEの魅力① 歌詞観・何かを諦めている

すごく失礼な見出しだが、僕がGRAPEVINEを好きになった理由の一つとして「肩肘を張っていないロックバンドが一番かっこいい」という価値観を植え付けたのがGRAPEVINEのスタンスだったのは間違いない。

GRAPEVINEの作詞はほぼ全曲 ボーカルの田中さんが担い作品を構築する。デビュー当初から「文学的な詞を書く田中」と評されており、見る人によっては「難解」とか「何が言いたいの?」と言われてもおかしくない歌詞を書いている。最近の歌詞は更に難しく「それ」とか「あれ」とか「これ」とか指示詞で埋め尽くされるが故に、歌詞がなんの事を伝えようとしているのか、もはや解読が難しい曲も多数存在する。ただ、この難解さがあるが故に、コアファンはGRAPEVINEにのめり込むのだ。
新作が出れば、「この歌詞はこんな事を伝えようとしてるのかな?」とSNS等で考察される。それもまた、音楽の楽しみ方の一つでありGRAPEVINEを深く楽しむ一つの要素。その様な歌詞を作るボーカルの田中さんはデビュー当初からどこか物事を斜めに捉える人で、様々な音楽インタビューからもその「斜に構える」素振りを垣間見せていた。例えば「歌詞の本当の意味なんて、別に聴いたリスナーそれぞれが描けばいい」とか「一生懸命頑張ってるバンドを横目に僕らはこんなもんですと言いながら、隅っこでほくそ笑んでいたい」とか、「曲を通して伝えたい事なんて、2つぐらいしかないんですよ」とか、恐らくレコード会社の担当からすると頭を抱えてしまうような受けごたえで、インタビュアーを困惑させ、編集部も困惑させる節がある人だ。
そんな、捻くれた人が書く歌詞は分かりづらくても、ふとした瞬間に「ハッと」させられるワンフレーズの歌詞が多く、GRAPEVINEの曲の歌詞は「何かを諦めている人」に凄く響いてくる歌詞なのだと今では思っている。


実際に楽曲の歌詞の中でも

歌詞抜粋:「言いたいことはずっと2つくらいしかないんだ」/ エピゴーネン

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と曲の歌詞の中にもその「諦め」を散りばめて歌い。

また、当時の解禁ニュースの中で「田中史上、一番良く書けた歌詞」と合わせて情報を出された「Wants」という曲では

歌詞抜粋:「敢えなく目が醒めて流れ出す現実の方こそ虚しい嘘だと」/ Wants

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曲のサウンドに寄り添う形で「諦め」から歌い出す。

「1977」という曲では

歌詞抜粋:「けど他に展開はないのかい」 / 1977

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と、悲しげなバンドサウンドとメロディーに合わせるかの様に
また「諦め」を歌う。

You Tubeのコメント欄を見ていると田中さんの壮絶な幼少期の経験(ここでは端折りますが)から来るバックボーンがインタビューや歌詞にも現れていて、GRAPEVINEが醸し出す、どこか「切なげ」な色を足して唯一無二の詞世界を作り出しているのかもしれない。と考察するが。

一時期、田中さんはLIVEパフォーマンス中に良く泣きながら歌っていたと過去のライブコメンタリーを聞いて語っていた。それは実体験からの想いと曲の歌詞やサウンドリンクがそうさせたんじゃないかと思うし、ギターの西川さんは「僕らの曲はシリアスな曲が多い」と言う。我々リスナーも自分が辛い時やシリアスな気持ちの時に寄り添ってくれる音楽や歌詞をGRAPEVINEが作ってくれるから「明日も大したこと無いけど、とりあえず生きてみる」という気持ちにさせ、気持ちとして鬱々とした所に、手をそっと差し伸べてくれるのがGRAPEVINEの音楽だと思っている。(あくまでも僕の主観の意見ですが)

だからこそ、田中さんは誰にでもそのワンフレーズが届くようにあえて、抽象的な表現を選び、聴く人が自分の都合の良い様に味わえるような施しをしてくれてるんじゃないかと思ってる。難解だ、難解だという事ではなく、ある気持ちの瞬間に「ハッと」させる為の難解さなのだと、イチGRAPEVINEファンは思ってます。

ー後編につづくー